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22 . November
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02 . February
COMITIA103 新刊

画像なくてすみません・・・(汗)

無料配布した単発もののショートショート2本と書き下ろし1本を加えたぺら本です。
ノーマル、百合、BLの三本立てとなっておりますので、苦手な方はご注意を(笑)

サンプルは読みやすいように改行を変えてあります。

「誰が為に」より抜粋。ノーマルです。

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「灯哉(とうや)の小説の神様は、どんな形をしているんだろう」
「……は?」


 本に埋もれた部屋の中で、幼馴染みは唐突にはそう問うた。
 クセの強い亜麻色の髪が頬にかかって、下を向く彼女の表情を隠している。落とされた視線は膝の上で広げられた本へと注がれ、活字をなぞるように、白い指先がゆるりと紙の表面を撫でた。


「それはどういう意味だ?」
「ん~、そのまんまの意味! こんな素敵な小説を書く灯哉センセイの中には、いったいどんな神様が住んでるのかなぁ、って」


 くすくすと笑いながら、彼女は本からゆっくりと顔を上げた。悪戯っぽく煌く瞳は無邪気で、大学生という年齢を裏切った幼さを垣間見せる。
 そんな彼女を、灯哉は半ば呆れたように眺めて、持っていた本を本棚へと戻しながら答える。


「生憎だが、神様なんぞに頼らなくちゃ書けないような残念な頭は持っていない」
「うわ……そのセリフ、他の作家さんに聞かれたらきっと後ろから刺されるよ」
「今聞いているのは千鶴(ちづる)だけだろう?」


 お前さえ黙っていれば問題ないさ、と言外に含ませれば、彼女はやっぱり笑って、軽く肩を竦めてみせた。


「悪いセンセイだなぁ。……まぁ、灯哉の高慢ちきはいつものことだけど」
「おい」
「わたしが言ってる神様っていうのは、それとはちょっと違うんだなぁ」


 灯哉の小さな抗議はあっさりと受け流して、千鶴はにんまりと唇の端を吊り上げて、言った。



「わたしの中にもね、住んでるんだよ。小説の神様」



 彼女の膝の上で、広げられたままだった本がぱたりと閉じられた。
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